新しい働き方FES2021〜はじめてのグラレコ~

自分では気づけていない強みを、周りの人は見出してくれるかもしれない。自分にとっては趣味でしかないものが、誰かにとっては仕事になるかもしれない。自分には無理だと思っている生き方を、実現している人がいるかもしれない。

そんな気づきのきっかけとなる場を、全国のフリーランスと一緒に共創する「新しい働き方LAB」。
そんな新しい働き方LABは4月18日(日)に「新しい働き方FES2021」を開催しました。

今回はこちらのイベント内で企画された「はじめてのグラレコ」のワークショップを記事にまとめてお届けします。

《ゲスト》
▼岸智子さん

福岡女子大学社会人学びなおしプログラムコーディネーター
神奈川県小田原市出身。

小売業での販売、店舗企画、マーケティングに従事した後、情報サービス起業の障害者特例子会社で総務、広報、人材開発に携わる。社内研修に対話型ワークショップを取り入れるなど研修の内製科を推進。
2008年産業能率大学大学院総合マネジメント研究科に進学、2021年に修了。大学院研修後は転がるように「二足のわらじ」世界へ。会社員の傍ら、女子大西や社会人のキャリアやワークショップ、理系男子の婚活ワークショップ、生活者視点で社会課題を解決するデザイン思考を取り入れたワークショップを企画、運営。2013年福岡へ。現在は多様な働き方を応援するコミュニティ(キャリアバラエティ)の運営やグラフィックレコーディングを広めることをライフワークに活動中。

○そもそもグラレコってなに?

そもそも、「グラレコ」ってなんだろう?
ゲストの岸さんは以下のように定義してくれました。

「新しい形の議事録、ノートの取り方。文字だけではなくて絵、色、図を使って表現するもの」とのことでした。

学校でとるノートや議事録は、正解や決まったことを主に書いていました。学校では、先生が板書したものをそのまま写したり、会社の議事録でも決まったこと(決定事項)が書いたりしていましたね。

一方、グラレコは正解や決まったことだけでなく、そこに至るまでのプロセスや、それを聞いたときの自身の感情を記録していきます。

事実は時間が経過してもあとで再度調べることができればわかりますが、感情は時間の経過と共に流れてしまい、忘れてしまうもの。

そのときにどのように感じたか。記録できるところがグラレコのいいところです。

○グラレコって超便利!

グラレコは実際に絵を使って表現できるため、視覚的に分かりやすくなることも特徴の1つです。
例えば、前述させていただきました岸さんの自己紹介。

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岸智子

福岡女子大学社会人学びなおしプログラムコーディネーター

神奈川県小田原市出身

小売業での販売、店舗企画、マーケティングに従事した後、情報サービス起業の障害者特例子会社で総務、広報、人材開発に携わる。社内研修に対話型ワークショップを取り入れるなど研修の内製科を推進。

2008年産業能率大学大学院総合マネジメント研究科に進学、2021年に修了。大学院研修後は転がるように「二足のわらじ」世界へ。会社員の傍ら、女子大西や社会人のキャリアやワークショップ、理系男子の婚活ワークショップ、生活者視点で社会課題を解決するデザイン思考を取り入れたワークショップを企画、運営。2013年福岡へ。現在は多様な働き方を応援するコミュニティ(キャリアバラエティ)の運営やグラフィックレコーディングを広めることをライフワークに活動中。

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文字ばっかりだと、よっぽど岸さんに関心がある人じゃないと読んでもらえないところがあります。これをグラレコにするとどうなるでしょうか。

グラレコにするだけで、内容は変わらずして文字数が減り、大体その人が何をしてきた人かが分かるようになります。
また、この絵から興味を持って貰いやすくなることで、そこから派生してコミュニケーションが生まれやすくなります。

コミュニケーションツールとしても。

イベント、セミナーの様子も。

備忘録としても。

グラレコは幅広く活用することができます。
そんなグラレコは以下の機能を持っていると言われています。

①記録
誰かの話や自分の体験したことを描く、という点で記録として使えます。

②振り返り
描いたものをあとから再度見返すことで、新たな発見があったり、理解が深まったりします。

③共有
各々の感情や考えも加筆したグラレコは他の人に見せることで、伝えるツールとしてそこからコミュニケーションが生まれます。

④思考の整理
モヤモヤしているものをグラレコにまとめることで、頭の中にあるものを外に出して俯瞰することができ、外に出したものを客観的にみて改めて自分の中に整理して落とし込むことも可能です。

ただ、記録としてだけでなく、描いている人にとっていろいろなメリットがありそうですね!

○じっさいにやってみよう!~絵が下手でも大丈夫~

では、グラレコに取り組んでみよう!
そう思ってグラレコに取り組もうとすると、

「絵が下手だから無理かも、、、」
と思ってしまいがち。

「絵は苦手はNG!」

そう、うまく描かなくてもいい!楽しもう!意外とうまく書ける!
と思うことが大事とのこと。

実際にグラレコは

・丸

・三角

・四角

・線

という簡単な記号を描くことができれば、絵を描くことができます。
丸に線を描くだけでリンゴ、ボール、時計と描くことができますね。

面白いのは、リンゴから「フルーツ」と連想できたり、「フルーツを食べる=休憩」とイメージすることもできるので、リンゴの絵を描けることができれば、そこから連想できるものを表現できます。

三角と四角を組み合わせて、おにぎり、家。建物。ノート。

表情も簡単。

基本、丸と線があれば表現できます。口角をあげれば笑顔。眉の両端をさげれば困っている顔。両端をあげれば怒っている顔になります。簡単ですね。

○グラレコを描いていく上でのコツ

さて、実際に簡単な絵が描けるようになったら、グラレコを描いてみましょう。

ただ、いきなりバラバラに描くと、どこから読んでいいか分からないものになってしまいます。より分かりやすく効果的に描くために、グラレコのコツをここでは紹介します。

①    左から右へ。上から下に描く
人の目線は左から右、上から下に移動する傾向があります。よって、用紙の左上から描き始めて、左から右。上から下に流れるように描いていけば見やすくなります。

②    話のまとまりごとに丸や四角で囲む
一通り描けたら、あとから意味のまとまりや話のまとまりごとに丸や四角で囲むと分かりやすいですね。

③    矢印を効果的に使う
矢印も効果的に使うことができれば、簡単に話と話の変化やつながり、関連を現わすことができます。

④    タイトルは大きく目立たせる!
タイトルは他の文章に埋もれてしまわないように目立つ工夫をすることも大切です。

例えば、大きく描くこと、太字で描く。ラインを引く。丸や四角で囲むと強調され、視覚的にメリハリが出て、分かりやすくなります。

また、視覚的な効果だけでなく、描いている自分にとっても「今どのような話をしているのか」を強く意識することもできるので、聞くことに集中できる効果もあります。

⑤    余白は大歓迎!
描いている最中は余白大歓迎です。

描いていて余白があると焦ることがあるかもしれませんが、あとから思い出したことや自分の考えなども情報を加筆することができます。

○グラレコで大事なこと

無理に全部描くのはむずかしいかもしれません。「描けない!」「追いつけない!」と焦ることもあるかもしれません。「全部描かなくてもいい」と思うことが大事です。追いつけないときはじっと「きく」に徹する。心が動くまでがまんして待つ。自分の気持ちや感情が動いたときを描く、ということを大切にしましょう。

「きく」に徹することで話のポイントをつかむことができ、より理解して描くこともできます。

大事なのは場数。手元にノートやメモがあれば、グラレコはいつでもどこでも始めることができます。繰り返しグラレコを描く中で、話の要点をつかみやすくなったり、絵を描くことにも慣れてきます。

そもそも。グラレコは聞いたものを全て表現することはできません。聞いた人のフィルターを通して、話し手が本当に伝えたいことを自分なりに解釈したものが出てきます。話し手が意図しないものが表現として出てくることもあるでしょう。

10人描くと10人描くことがかわってくるからこそ、いろいろな人が描き、見せ合うことで学ぶが広がります。

グラレコが得意なことは可視化。

描くことが楽しくなると、人の話を聞きたくなる。学ぶことが楽しくなる。
大事なのは、楽しく描くこと。

「正しい記録よりも楽しい記録を!」

皆さんも楽しく、グラレコをはじめてみませんか?

《ライター:ムーディ》
Twitter:https://twitter.com/KatsuyamaYouta