10月25日(月)より開講する、マーケティング&ブランディングブートキャンプ。
サブタイトルは「人生の時給を上げよう」。
今回は特別編として、CreativeLAB EXPO2021のテーマ「you+」にちなんで「マーケティングとブランディングをあなたにプラス」をテーマに、ゲスト講師の根岸さんが「これからの時代のマーケ手法」について、たっぷりとお話してくれました。
《講師》
▼ランサーズ株式会社 チーフエヴァンジェリストオフィサー 根岸泰之氏
ベンチャー企業で取締役CMO(マーケティング最高責任者)として、人と仕事のマッチングに関して、マーケティング・プロモーション・クリエイティブ、それを支える組織育成など、幅広い観点から約10年間従事。その後、ランサーズにマーケティングマネージャーとして参画し、現在はCEvO(チーフエヴァンジェリストオフィサー)として地方DXに取り組んでいる。
《ファシリテーター》
▼新しい働き方ラボ和歌山コミュニティマネージャー シモカタセイジ氏
インテリアショップマネージャー、住宅営業、広告代理店を経て2016年にフリーランスとして独立。現在はクリエイティブディレクターとして、クライアントの価値を最大化するためのブランディング及び販促に関わる全体の計画を主に行なっている。2020年度ランサー報酬ランキング クリエイティブディレクター部門1位
目次
マーケティングの変化
最初に、マーケティングはどのように変わってきたか、根岸さんがわかりやすく説明してくれました。
ポイントは、2つ。
・オフラインからオンラインへ。
・パブリックからプライベートへ。
2000年以前は、4マス媒体と呼ばれる、テレビ・雑誌・新聞・ラジオでしか、情報発信ができなかった時代。
マーケティング活動は、テレビ局や新聞社などを仲介して、この4つのマスメディアをどう使うかが主流でした。
2000年から2010年くらいにはインターネットの時代になり、Yahoo!やGoogleが登場します。
ネット時代初期には、マイクロソフトが運営するMSNや、goo、Biglobeなど、ポータルサイトと呼ばれる媒体がたくさん出てきました。
なつかしいですね!
ここで、みなさんにクイズです!
誰もが「観たことがある!」と認識するようなテレビCMを2週間放映するのに、一体どれくらいのお金がかかるでしょうか?
難しいですよね。そもそもCMを流すのにいくらするか、考えたことがない人もいるんじゃないでしょうか?
チャット欄には、「億!」、「検討もつかない」などのコメントが集まりました。
正解は、、、3億かかります!
2週間、3億円かけてCMを流すと、みんなが「あのCM観た?」「観たよ~!」というような会話が生まれるそう。
3億円未満の放映料だと、たまたま観たことがある人もいたり、観た記憶に残らない人もいたりして、あまり意味がないそうです。
余談はさておき。
インターネット時代には、マスメディアからパブリックなネット媒体に置き換わって、D2C(ダイレクト・トゥー・コマース)という形になりました。
仲介媒体がなくても発信ができるようになっていった、というのがこの時代の変化です。
そして最近では、YouTube・Facebook・Twitter・Instagram やnoteなどの登場で、無料で誰でも直接発信ができるように。
テレビからYouTubeへ。ラジオからPodcastへ。
マーケティングをする場所が、プライベートなネット媒体に置き換わるという変化が起きました。
マーケティングは誰でも・いつでも・お金をかけずにできる時代に
ここで質問です。このようなマーケティングの変化は、どのような違いをもたらしたでしょうか?
ざっくりした質問ですね~!例えば、普段観る時間の話なのか、、
お、大ヒントですね!
メディアの移り変わりにより、マーケティングにはこんな変化が起きました。
表現場所を利用する人は、メディア関係者だけではなく、誰でもできるように。
スキルについては、例えば新聞社の場合、入社してからトレーニングを積んで、記者として一人前になってから、やっと新聞で発信できる時代が「過去」。
「現在」は、記事を書いたことがなくても、noteに登録!以上!そんな時代に。
表現の内容は、決められたルールや制限があり自由度が低い「過去」から、「現在」は自分の考えや感じたことを何でも発信できるように。
テレビの放映時間や雑誌の発行時期など、発信のタイミングについても、「現在」は日中でも深夜でも、時間を問わずできるようになりました。
表現に必要なお金は、先ほどのクイズのように、テレビCMだと3億円。有名な雑誌の場合は、2ページの広告を買うと180万円ほど。新聞の一面広告だと、2000万から4000万円くらいかかります。
「現在」なら、ゼロ円でも発信できます。
最後に、視聴者。
どんなにお金をかけて発信しても、受け取ってもらえなかったら、プロモーションもブランディングもマーケティングもできません。
でも「現在」は、観る・聴く・読む側も、お金をかけずにネット媒体を利用できます。
このように、マーケティングは「誰でも、いつでも、お金をかけずにできる」ようになったというのが、大きな変化です。
別の言い方をすれば、「お金をかけてもできない」時代になったとも言えます。
これからの手法は「やり方を知って、やるかやらないかだけ」
誰でも、いつでも、お金をかけずにできるようになったマーケティング。
個人にとっては大きなチャンスがある時代になりました。
でも逆に、どんなにお金を使ったとしても知ってもらえなければ意味がありません。
では、どうすれば効果のあるマーケティングができるのでしょうか?
その答えは「やり方を知って、やるかやらないか」だけ!
つまり、「適切な方法」と「継続」がポイント。
行動すればするほど、結果が出てくるという時代になったということなんです。
P2Cの時代へ
「P2C」って言葉、みなさんご存知でしょうか?
最近は、自分自身をブランディングすることでビジネスにつなげる、P2C(パーソン・トゥ・コマース)に変わってきました。
P2Cを意識することで、自分が望む仕事を得られたり、自分の単価を上げていったりすることが可能になります。
さらに、コンテンツをインターネット上に残せば、自分が寝ている間もそれが見られることで収入になります。仕事をしていない時間でも時給が発生するということは、つまり「人生の時給がめちゃくちゃ上がる!」ということ。
仕事をする時間だけで収入を考えなくてもいい時代になったんです。
ブートキャンプ講師のお二人も、まさにP2Cを意識されていますよね!
シモカタさんといえば、ブランディング!という単純なイメージだけではなく、価値のあるコンテンツを出していくことでみんなに見てもらえる、という代表例です。
▼シモカタさんのYouTubeチャンネル
ハマさんの場合は、ライターの仕事もやりつつ、プロジェクトマネージメントや、ゲストハウスのオーナーや、地域行政と連携した地域開発など、自分が望むライフスタイルを突き詰めていった結果、「ハマさんブランド」が出来上がったというパターン。最初は踏み出すのがコワイ部分もあったかもしれませんが、突き進んでいったら大きな道に開けたという代表例です。
魅せ方を極めるパターンと、好きな道を突き進んでいくパターン、どちらも素晴らしいです!
P2C化実験!「仕事」から「私事」へ
P2Cは「どうやるか」が大事。
特殊な人しかできないのではなくて、すべての人ができるんです!
僕もシモカタさんとハマさんに憧れて、ブランディングをやってみました。
「仕える事」という「仕事」から、どうやって「私事」に置き換えていくか、2年間実験したんです。
まず取り組んだのは、自分の紹介。
ペンキに塗られてたり、スケボーしてたり、鼻をほじってたり、というような、ちょっと「おかしな」紹介です。
そして、自分の得意領域の広告やマーケティングはスキルとして見せる一方で、会社の地位を捨ててみる。
ワーケーションでいろんな所に行って自由に仕事をしたり、真面目な話をするために、あえて題材に不真面目にしてみたり。
(参考記事:根岸さんnote記事「ウンチから学ぶ、決断スピードの重要性。」
なぜこういうことをしたかというと、僕は「スキル」×「変」のポジションを狙いに行ったんです!
根岸さんが、セルフブランディングの方向性を整理するのに使ったのが、こちらの図。
「スキル」×「まとも」に行きたがる人が多いんです。そっちだとライバルが沢山いて勝てそうにないので、僕は「変」に向かうことで、自分のエッジを立たせていきました!
自己紹介で鼻をほじってる写真をわざと載せたり、真面目な話をストレートにするのではなくて、あえてウンチを題材にしたりすることで、意図的に「変」のポジションを狙いに。
その結果、どうなったかというのが、こちら。
根岸さん:
自分のブランドを立てていったことで、それを面白がってくれる仲間と出会える機会がめちゃくちゃ増えました。
そして、仲間と出会えた結果、どうなったかというと、、、
仲間のネットワークや、コミュニティーでのコミュニケーションを通して仕事が発生しました!仕事内容も必然的に僕の趣味に合うものばかりになって、「遊んでたら稼げる」状態に。
まさに「仕事」が「私事」になりました!
例えば、ワーケーションの視察という行政の「仕事」が、旅をしてカヌー漕いだり、美味しいごはんを食べたりする「私事」になったんです。
エッジ の立て方やブランドの作り方は、人それぞれいろんな形がありますが、間違いなく誰でもできます。
でも、やりきる前にやめてしまったり、方向がちょっと違ったりすると、努力しても報われません。
適切な知識と手法で、 続けられるかどうかがポイント。
続けられること自体が能力なので、このポイントさえおさえれば、絶対に実現できます!
実践!P2C化にむけてやってみよう!
実際にはこんなステップになります。
ブランディングで難しいのは、うまくやらないとターゲットに対してネガティブなイメージになってしまうこと。
最初は自分を商品にするのではなくて、リスクヘッジとして別の商材で練習するのがオススメです。
練習台で方法がわかってから、自分を商品に見立ててブランディングしていくと、自信を持ってどんどんやっていけるようになります。
そして、すべてが狙い通りに上手くはいかないので、PDCAを回し、KAIZENを続けていくことが大事です。
実践練習にはアフィリエイトがオススメ
実践練習には、アフィリエイトがオススメです!
自分のブランドではないので失敗しても構わないし、適切な知識を実体験を通して身に付けられるし、かつ上手くいけば収入にもなるので、練習台としては最高です。
根岸さんのオススメ商材は、パソコン。
いろんなターゲット層がいて、種類や周辺機器も豊富なので、取り組みやすいそうです。
マーケティングの方程式を丸暗記せよ!
これだけは絶対に覚えてください!
丸暗記でいいです!
どんな手法でも、すべてこの方程式です。
imp(インプレッション)というのは露出量。
ctr(クリック・スルー・レート)は、露出されたものに対してどれだけクリックされたか、という率。
cvr(コンバージョンレート)は、クリックされた後に、コンバージョンした率。
これらによって、「効果」が変わります。
例えば、note記事の場合。
記事が見られた回数、つまり露出した回数(imp)が1000回だとします。
記事をクリックされた率(ctr)が10%だとすると、100回クリックしてくれたことになります。
そこで「クリエーターを応援する」をクリックしてくれた人(cvr)が10%としたら、 「応援」して購入してくれた人(効果)は10人となります。
この方程式は、よほどのテクノロジーの進化がないかぎりインターネット上では普遍です。
・どうやって露出するか
・どうやってクリックしてもらうか
・どうやってその商材を買ってもらうか
これらのかけ算が「効果」になります。
ブランディング・マーケティングでは、これらの要素から課題を抽出し、改善策を考えます。
すべてのマーケターはこの方程式にのっとってやっているので、 これは絶対に覚えてください!
シモカタさん:お店の前を通っている人数(imp)、お店に入ってくれた人数(ctr)、実際に買ってくれた人数(cvr)に置き換えて考えると、めっちゃ覚えやすくなります!
おまけ:根岸さんオススメ図書
ブートキャンプに参加できない方のために、根岸さんがオススメの本を紹介してくれました。
ブートキャンプに参加する方も、ぜひ読んでみてください!
最後に、根岸さんから一言。
いま、自分が好きなように生きていく方が稼げる時代に変わっているというのを知ってほしいのが、 一番の思いです。
そのためには、適切な知識と継続することが大事です。
今日の話を参考に、自分の好きなことやっていいんだ!と、一歩踏み出してもらえたら嬉しいなと思います。
《ライター:幸田いろは》