皆さんはフリーランスに必要なことって何だかご存知でしょうか?
その答えは人によって千差万別で、下手をしたら答えすらもないかもしれません。
だからこそ、誰もが「フリーランスになる」といっても踏み出せない状況だと思います。
ランサーズでは、様々な背景を持ったフリーランスの方がいらっしゃいます。
そして、そんなフリーランスを後押しする「新しい働き方LAB」コミュニティをご存知でしょうか?
その中では研究員として「新しい働き方を研究する」人たちがいます。
今回は沢山いらっしゃる研究員の中から、ある賞を表彰された『アオイソラ』さんをインタビューさせて頂きました。
アオイさんは現在、経理とライターのフリーランスとして活躍されています。
趣味はマラソンで、もう10年以上の経歴。
2年前にサブ3(フルマラソンで3時間台で走ること)を達成されたり、少し前にはホノルルマラソンのオンラインにも参加した本格派ランナーさんです。
今回のインタビューでは、まさにフリーランスになるべくしてなられたアオイさんの経歴を教えて頂きました。
お話を聞けば聞くほど、天職とは何かを考えさせられました。
目次
私にとっては、当たり前のことをしただけ
ーーこの度は「コツコツ賞」受賞おめでとうございます。noteを見せていただいてびっくりしたのですが、本当に1日の行動を全部丸ごとスケジュール化したんですね。
ありがとうございます。
すごいとか、細かいねとか、よく言われるんですけど、私はただカレンダーの空白を埋めていくみたいな感覚で、特に難しいとは感じていないんですよね。
なんというか、私にとっては、ご飯を食べることみたいに、当たり前のことをしているだけなんです。
もちろん慣れるまでは時間かかるんですが、今ではもう生活の一部でして(笑)
Googleカレンダーを使うことで、1日に何をするのかを自分の目で確認できたので、余裕と安心感が生まれました。
いつ寝て、いつ起きて、いつご飯食べて、いつ車を運転してとか、ざっくりでも記録に残しておけば、生活の流れを後から振り返れるな、というのもあって。
あと、Googleカレンダーのタスク機能を使って、「今日はこれとこれをすればOK」みたいな感じで生活すれば、一日がスッキリするっていう、そういう感覚です。
ーー生活Todoを明確化するのにちょうどよかったのが、Googleカレンダーだったんですね?
そうですね。
会社員の時は、その辺の紙に手書きでTodoを書いて、横棒で消していくだけだったんです。
手帳も候補に挙がったんですが、会社員の時はせっかく買っても愛でるだけで(笑)
ほとんど使わずに無駄にしていました。
だから、新しい取り組みをしようとGoogleカレンダーのアプリにしたんです。
ーー実際に研究報告を見るとデメリットもなく上手く使えたように見えましたが…。
それでも操作に慣れないうちは、予定の修正に手間取っていたんですよ。
でも、Googleカレンダーのアプリだと、外出先でも気軽に確認や修正ができたので、慣れていくうちにどんどん便利になっていった感じですね。
使うにあたって気をつけていたことは、管理がメインになってしまわないようにすることです。
管理ばかりで手段と目的が入れ違わないようにしました。
Googleカレンダーの更新が目的になってしまったら本末転倒なので(笑)
フリーランスの道しかなかった、ストレスフルな会社員生活。
ーーストレスコントロールできなかったのが、フリーランスになるきっかけだったんですか?
そうですね。
フリーランスになった一番の理由が、受動的なストレスがあまりにも多すぎたことですね。
私が前に勤めていた会社では、会社都合で予定通り行かないことが結構あったんです。
それが私には本当に大きなストレスになっていました。
その上、激務で残業が多くて、給料はもらっていても、この先の人生のビジョンが全く見えなかったんです。
毎日毎日不安で不眠症になったり、全身にじんましんを発症して、顔がパンパンに腫れ上がったり、とにかく体調を崩しまくって…。
「もうこれ以上は無理。会社ではやっていけない。家でやりたい」っていう気持ちが強くなったんです。
環境を変えるために、社内環境を改善していくのは限界がありました。
それで、もう自分の足で歩いていかないと、って感じで。
奥さんが後押ししてくれたのも大きいですね。
そのまま働いていたら、ずっと不安が続いていたままで心身ともに危なかったと思います。
誰でもフリーランスになれるきっかけがある
ーーとはいえ、定期収入がなくなるフリーランスに抵抗はなかったのでしょうか?
逆に定職からフリーランスになったおかげで、不安より安心が強く得られた感じです。
25歳ぐらいのときから経理の仕事をしていたので、その経験がうまく生かせてそのままフリーランスに運良くなれたっていうのもあるかもしれません。
というより、最初のうちはその経理の経験しか活かせなかったんですが(笑)
収入の面の不安はありますが、会社員の時と比べると、今の状態はポジティブな気持ちがあるんです。
会社を辞めて数か月くらいは大変でしたけど、家族の協力があったので、あとは自分で頑張るしかない、みたいな。
会社員の時は受け身の業務ばかりで、自分の任される業務が予測できないっていう不安な状態でしたが、今は自分から仕事を探しているので心の持ちようが全然違います。
一生懸命仕事を探しに行こう、みたいなポジティブな感じですね。
フリーランスの魅力は心のゆとりが得られること
ーーアオイさんにとってフリーランスの魅力は自分で管理できることなんですね。
はい。Googleカレンダーの活用もそこにつながるんですけど、自分で仕事や時間を管理できるっていうのは、フリーランスの大きな魅力です。
それに、今回の研究員活動で、Googleカレンダーの活用の成果を改めて表にして、あるいは数値化して、客観視できたのはすごく良かったです。
Googleカレンダーを自分の中に落とし込めて、それが生活の軸になって、その軸がぶれないでいられるという感じなんです。
それによって、結果的にゆとりが生まれたというのは大きな成果でした。
ーー経理以外にもライターに挑戦しているのは理由があるのですか?
元々、文章を書くのは好きだったんで、20代のときもライターっていう響きに憧れていたんですよね。
20代のときは、「ライターってどうやってなるんだろう」って感じで、まずライターのなり方がわからない状態でした。
それから10年以上も経って、会社を辞める半年前ぐらいにたまたま「ブログを作って収益化」というフレーズをネット検索で見かけたんです。
ブログなら、マラソンのことだったら書けるかもなと。
そのブログの経験もあって、ライターの仕事でも、自分の書ける分野であれば積極的にやってみようって思えたんです。
経理は経理でそれなりにこなせるんですけど、ライターの仕事で、記事や構成を考えたりしている時はとても楽しいです。
ーーご趣味のランニング以外にも学生向けの記事もありましたね?
あ、そうですね。学生時代は結構つらい学生生活を送ってたんで、学生に向けての悩み解決の記事も書けるかなって。
※アオイソラさんのWEBサイト『青い空の下で』
青い空の下で|~学校が辛い学生さんを助けたい~ (aoisora-running.com)
今後は、まだネタが固まっていませんが、小説とかエッセイの形で作品を残したいです。
研究員制度はいい刺激ばかり
ーー研究員になってよかったことを教えてください。
フリーランスだと他の人とのつながりが見つけにくいものなんですけど、研修員の制度に参加すると、Slackの集まりで全員とつながることができるんです。
そこで、自分の力だけではつながれない人との出会いが生まれました。
いろんな方の発信を拝見して気づきを得られたり、同じような悩みを抱えている人の話を聞いたりして、共感や情報共有できるのが魅力です。
あと研究員制度に入ると、アドバイスしてくれる先生がいらっしゃって、毎月開催される定例会では貴重なアドバイスを頂けたりします。Slack内でもアドバイスを頂けるので、至れり尽くせりですね。
ちなみに、研究の方法で数値化したほうがいいというのも、先生からのアドバイスがあったからできたことです。
私はたまたま「コツコツ賞」を頂きましたけど、正直、他の研究員の方のほうがめちゃくちゃすごいなって思っています。
だから自分が「コツコツ賞」を頂いたのは、ちょっと気恥ずかしいんですよね(笑)
また研究員活動を通して、CreativeLAB特別企画コンペ「you+~あなたを変えてくれたもの~」に参加し、ありがたいことに文章部門の最優秀賞を頂きました。
このコンペは、私が今後どうしていきたいのか、何がしたいのかを考えさせてくれる、私にとってはベストタイミングのコンペだったと感じています。開催して下さったことに、感謝しかありません。
※アオイソラ様「you+ 私を変えてくれた人」https://note.com/papernovel365/n/ne9397c4a3e35
ーー私はお話を聞けば聞くほど、受賞はマラソンの継続力の経験が活きているんだなと感じます。
そうですか?(笑)
でも私にとって、続けることはそんなに辛くないんです。
継続することって、継続の一つ一つに結果は求められないから、ただただやればいいっていうだけのことなんで。
まぁその辺は、マラソンと同じですかね。
目の前のことを継続することで、今頂いているお仕事につながってきてるかなとは思います。
フリーランスでより自分らしくなって、より夢が広がった
ーー研究員制度に取り組む前から、Googleカレンダーを使う予定だったと聞いておりますが、最初からいろいろと目標は掲げられていたのですか?
最初は収入を確保、もうシンプルにそこだけでした。
あとは、体を壊さないとか、会社員の時の反省を元に決めていきました。
先ほども少しお話ししたのですが、ゆくゆくは経理とライターの仕事も抑えて、もっと小説やエッセイなど、とにかく頭の中にある言葉を目に見える形にして、どこかに出してみたいです。
あと、これはマラソンつながりで、ミシンでハンドメイド作品を作ってみたいと考えています。
ハンドメイドのきっかけは、「ランニングキャップにつける日除けを自分でつけられたらいいな」ぐらいだったんですけど、他にもゼッケンベルトを自分で作りたいという願望が出てきまして…。
今では、Googleカレンダーの予定にハンドメイドの作業時間を入れています(笑)
本当に可能性が広がったって感じで、それこそ会社員の時は、ミシンをやろうとか絶対思わなかったです。
とにかく今は、まだまだ自分を表現しきれてないし、出しきれていない。まだまだこれからなんだと、自分では感じています。
フリーランスで心のゆとりを
ーーなるほど。では、アオイさんの経験からフリーランスで気をつけた方がいいと思う点はありますか?
うーん、詰め込み過ぎないようにすることでしょうか。
結果が出ないからといって、焦って行動したりしないようにと、自分に言い聞かせています。
最終的に、なるようになるとは思っているんで(笑)。
「誰でも、最初はすぐには稼げない」みたいなことはよく聞きます。
だから、積み重ねしかないのかなって自分では思っています。
もう一点、規則正しい生活は毎日した方がいいと思います。
「コツコツ賞」を頂いたからそんなことを言っているわけではないんですが、積み重ねが心のゆとりを生むっていう感じでしょうか。
大変な作業も当たり前の作業も同列に並べて、生活の一部にしてしまうというのは、個人的にはオススメです。
例えば、「新しい仕事の案件を探す」という作業も、カレンダーに毎日入れておけば皿洗いと同じ生活の一部だからって感じで、苦痛なくこなせるんです。
そうなると、ご飯食べるのと同じでストレスにもならないんですよね。
逆に一夜漬けで1日だけ頑張るとかしても、次の日は眠たくて仕事がはかどらなかったりするし、体調も悪くなりそうですよね。
毎日よくばらず、一歩ずつ進めば、マラソンと同じで、必ずゴールにたどり着けると考えています。
ーー最後にフリーランスに憧れる人に対して一言お願いします。
たとえば今、会社などで経験している仕事は絶対フリーランスで活かせます。今やっていることは絶対に無駄じゃないよと伝えたいです。
後は、すぐに結果を出そうと思うと焦りしか生まれないので「まずは今できることからやってみようよ!」って感じでしょうか。
えらそうなこと言っていますが、私も全然まだまだです(笑)
*
インタビューを終えて
今回のインタビューで私の中の「フリーランスはとにかく大変だ!必死に働かなければならない」という前提をひっくり返されたような新しい発見ばかりでした。
人生の上で働くことは苦しいこと、辛くても我慢をしなければならないと思い込んでいたように思えます。
しかし、アオイさんはとても大変な過去があったとは思えない程、終始穏やかな表情を見せて頂きました。
もちろん、一歩ずつ確実に進むランナーの継続性がもたらした結果だと思いますが、これが新しい働き方を得られた人の姿だとも感じます。
「無理せずに素直にいこう」
そう言いたげなアオイさんの笑顔は、フリーランスの楽しみを感じているようでした。
台風一過のある日、福井県のとある海にて。小学校2年生の息子さんと
《ライター・ニセツヨシ》