フリーランスや副業・複業をしている会社員など、さまざまな働き方をしている人をつなぐ共創コミュニティ「新しい働き方LAB」。その中で自分なりの新しい働き方を実験的に挑戦する人たちを応援するプログラムが2021年6月から始まりました。その名も「研究員制度」。実験活動として、新しい働き方を後押しすることにチャレンジする人たちが集まり、10月末日まで活動。最後には、その研究報告書を提出します。
10/29(金)に開かれた10月度研究員定例会で中間発表がありました。今回は、その中間発表で特別賞を受賞されたよしかわさんにお話を伺いました。
イラストを描く始まりは、偶然の出会い
ーー今回、「特別賞」受賞、おめでとうございます。
ありがとうございます。正直、最初に聞いたときは信じられませんでした。何かの間違いだろうと本気で思っていました。
ーーまず、今回の実験内容でもある「イラストを描く」ということですが、この内容にしようと思った経緯などを教えてください。
子どもの頃からイラストを描くことが好きで、憧れもありました。でも、実際にイラストを描くことはありませんでした。周りと比べて特別上手いイラストを描くことができるわけでもないので、どちらかというと苦手意識もあったかもしれません。
そんなときに、たまたま登録したランサーズで、新しい働き方LABの「研究員制度」を見つけました。「研究員制度」の説明文の中で、「面白さやユニークさがなくてもいい」や「失敗してもいい」という言葉が私には印象的でした。
子どもの頃から憧れていた「イラストを描く」ということを1度もやってこなかったけれども、それではもったいないという気持ちが湧いてきて、研究員制度に申し込みました。申し込んだときは選考が通ると思っていなかったので、選考通過したという連絡が来たときは驚きました。
ーー色鉛筆でたくさんのイラストを描いてますよね。
パソコンやタブレットでイラストを描くのは私にはハードルが高かったので、色鉛筆でイラストを描き始めました。色鉛筆のふんわりしたタッチで描けるところがとても気に入っています。
色鉛筆に油性と水性があることも、今回の実験で初めて知ったレベルからのスタートでした。今は写実を描くことがほとんどですが、今後は内面の世界とか描くことができれば素敵だなぁと思いますね。
続けてこられたのはコミュニティの空気感
ーー今回の受賞理由として、辞めずに内省しながら続けてきた、とありますがここまで続けることができた要因はどんなところにあるとお考えですか。
申し込みをしたときは、研究員制度の紹介文にも背中を押されるような形で前向きにイラストを描いていこうとしていました。ただ、いざ始まると、体調面で厳しい状態となっており、会社で働くのも大変でした。そのため、ずっと順調に進んでいたわけではなくて、活動を思うようにできない時期がありました。
研究員制度のコミュニティの中で、他の人はフリーランスで活動して大きな成長を遂げているのを見ると、私なんか続けていていいのだろうか、と疑問に思うことは何度もありました。
それでも続けられたのは研究員制度のコミュニティに流れている空気感のおかげです。たとえ思うように研究活動が進んでいなくても戻ってこられる雰囲気がありました。活動ができなかったとしても咎められるようなことはありません。活動がうまくできなくてダメだと思っていても、発信すれば温かいメッセージをたくさんいただきました。
こうしたことを何度も繰り返しているうちに少しずつ自信を持つことができるようになりました。何より、他人と比較せずに自分のペースで進めていいんだと思うことができるようになりました。
また、他の研究員の方の活動報告をみていると、自分一人では考えていなかった新しい世界を知るきっかけもたくさんいただきました。
ーー新しい世界というのは、どのような世界ですか。
今までの私が経験してきた働き方は会社員だけで、他の働き方を経験したことがありませんでした。その分、他の研究員の方々のさまざまな働き方に触れることで、今の私にはできなくても、この部分は私にもできるかもしれない、これなら挑戦してみたいなどという気持ちの変化がありましたね。
ーーそれはすごいことですね。今後、挑戦したいことはありますか。
今はイラストを描くことしかできませんが、文字で表現する楽しさを感じるようになりました。今回の実験をきっかけにnoteを使うようになったことが大きな要因だと思います。機会があれば、ライティングなど、文書を書くということに挑戦してみたいです。
一歩進めたことから広がる世界
ーー今回の実験内容では、ワクワクの感情を取り戻せるかどうかがサブテーマとしてありますが、今の状況はどうでしょうか。
研究員制度の活動に参加するまでは単調な生活でした。会社で一生懸命に働いて、疲れて帰ってきて寝るという生活で、楽しさをあまり感じることができていませんでした。今は、体調がすぐれないときには楽しい感情を感じにくくなりますが、しっかり楽しいという感情を大切にしていきたいと意識を持っています。
ーー受賞理由の内省を繰り返してきたことについて、イラストを描くことに関係してきますか。
正直なところ、イラストを描くことが内省につながったかどうかは、はっきりとしていません。
体調が芳しくないときも多く、自分と向き合う時間が多くありました。自分の生き方や人生、それらを含めて発信したりして、悩みながら続けてきたと思います。もちろん考えすぎるのは疲れてしまい、よくないと思いますが、向き合った分、自分を知ることができましたし、不器用でスローペースな自分でもよい、ずっと頑張り続けなくてもよいなど、今までとは違う考えを持つことができるようになりました。
一方で、イラストを描くときは、そんなに考えていません。考えないでいられるからこそ集中できます。私にとってはイラストを描くという没頭できるものができたことは本当にうれしいです。
ーーその描いてきたイラストがLAB Store(注1)で商品となって販売するまでになりました。
LAB Storeは出品のハードルが低くてやりやすかったですし、何よりも楽しくできました。挑戦してよかったなぁと思っています。今後も自分で商品を創る場があるのであれば、イラストを描き続けてやっていきたいですね。もし、売り上げが上がったら、ランサーズでの初報酬となります。
(よしかわさんの商品出品ページURL:https://labstore-hp.com/products/7445269938429)
<注釈>
1.LAB Store:新しい働き方LABが母体となった全国フリーランス共創コミュニティ「Creative LAB」のメンバーが運営するオンラインストアのこと。
(URL:https://labstore-hp.com/)
スタートラインに立っていなくたっていい。
ーー今後はどのような活動をしたいとか考えてますか。
イラストは描き続けていきます。でも、仕事につなげるというようなことはまだ考えていません。無理なく楽しめる範囲で継続させたいですね。
そこに加えて文書で発信することも楽しいと思うようになってきたので、エネルギーと時間があれば、取り組んでみたいです。実際に文書を書いていると頭の整理にもなったりします。
ーーそれでは、最後に研究員制度に関心のある人に向けてメッセージをいただいてもよろしいでしょうか。
フリーランスで働いていたり、大きな挑戦をして成功したわけではありませんが、活動して意味があったと確信しています。私のようにスタートラインよりもずっと後ろの方に立っているような感覚の人でも、参加する機会があるのであればチャレンジしてほしいですね。いろんな部分で変わることのできるきっかけと出会えると思います。
《ライター・松崎邦彦》
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