仕事は”面白ければ”楽しくなくてもいい。株式会社日本HP・宇田川紘輝さんの仕事の流儀

2020年11月24日

日本HP×新しい働き方LABの共同企画で進められている CreativeLAB。#私をつくるクリエイティブ。クリエイターになりたい人やステップアップしたい人に向けて、さまざまな企画やイベントが実施されています。

今回はCreativeLABを支えてくれている、株式会社日本HPの宇田川紘輝さんにインタビュー。仕事の取り組み方や、趣味の映画のお話、宇田川さんが大切にしている人生観やHPで働く人の魅力など、お話を伺いました!

■□■□宇田川紘輝(うだがわひろあき)さんプロフィール■□■□

大学卒業後、国内化学メーカーでの勤務を経て2014年に日本ヒューレット・パッカード(現日本HP)へ入社。コンシューマー向けPC製品の市場開発担当。2007年より鑑賞した映画を評価、記録する生活を続け、現在463本。好きな映画はサスペンス。映画は「家で見るもの」派。

日本企業国内化学メーカーから、外資系企業日本HPへ転職

俵谷
俵谷

本日はよろしくお願いします。
まず、日本HPに入るまでのご経歴を教えてください。

宇田川
宇田川

2009年に大学を卒業して、日本の化学メーカーに入社しました。
そこでは、新規のお客さんを作ったり、代理店の開拓をしたりしていました。
その後、2014年に現在の日本HP(旧日本ヒューレット・パッカード)に転職しました。

転職してすぐは、業務用プリンターの営業をしていました。営業は基本的にモノを売るまでが仕事だと思っていたのですが、日本HPでは、卸業者から販売店、販売店から市場に流すところまでを見ていて、そこには驚きましたね。「ちゃんとしているな」と。

転職してすぐは、業務用プリンターの営業をしていました。営業は基本的にモノを出荷して売上を計上するところまでが仕事だと思っていたのですが、日本HPでは、卸業者から販売店、販売店から市場に流すところまでをしっかりと数字で追われていて、そこには驚きましたね。
「短期ではなく、ちゃんと長期的なビジネスを考えているな」と。

当時、私が扱っていた商品がA1サイズ(半片60cm)のプリンターだったのですが、A1サイズって想像できます?

俵谷
俵谷

いや、全く想像がつかないです……。
業務用ですよね。

宇田川
宇田川

A1サイズはだいたい、半片約が60cmくらいになります。
ポスターなどを印刷する業務用のプリンターでした。
それだけ大きいと用紙を一枚ずつセットするのも難しいのでトイレットペーパーみたいなロールを装着し、パソコンからデータを送ったら、そこに印刷されてカットされる仕組みになっていました。

俵谷
俵谷

プリンターの営業を経て、現在のコンシューマー向けPC製品の市場開発の部署に異動されたのでしょうか?

宇田川
宇田川

そうです。昨年、2019年に今の部署に移りました。
コンシューマー向けのPC製品のマーケティング戦略を検討したり、市場活性化のための施策を考えたりする業務を主に担当しています。

俵谷
俵谷

ランサーズとの共同プロジェクトもその仕事の一環ですよね。

宇田川
宇田川

市場開発って何をしているかよく分からないと思うのですが、クリエイター向けのPCを販売するとなったときには、まず、製品担当が商品をプランニングします。
今回だと、クリエイター向けPCになるわけですが、それをすぐに販売しても売れるわけではないので、今回のようにランサーズさんなどと連携して、企画を仕掛けたりしながら、市場を開発していきます。

幼少期に、ロサンゼルスに移住。「アメリカ文化」に触れる

俵谷
俵谷

もう少し、学生時代くらいからさかのぼってお話を伺いたいと思います。

宇田川
宇田川

幼稚園のころから映画が好きで、ジュラシック・パーク、バックドラフト、ドラえもん、クレヨンしんちゃんといった映画を見ていました。小学校4年生からは、ロサンゼルス近くの田舎町に引っ越して、高校1年生まで住んでいました。

俵谷
俵谷

へぇー、長い間、アメリカにいらっしゃったんですね。

宇田川
宇田川

それ以前にも何度か家族でアメリカに遊びに行ってましたが、移住する前の年に、いつもと違うルートで、いつもと違う場所に行ってたんですね。そのときはよく分からなかったのですが、どうやら移住の計画を立てていたみたいで(笑)
結局、1年後にアメリカに移り住むことになりました。アメリカでは、現地の学校と毎週土曜日に補習校(日本人学校)に通っていました。最初、まったく英語を話せませんでしたが、サッカークラブのチームメイトとのコミュニケーションをしたりして、なんとか現地になじむことができました。
日本だと学校の授業や放課後にサッカーをするから、例えアメリカでも体格で差が出ない小学校4年生くらいまでは、日本人でもかなりうまく立ち回れるんですね。ただ、中学校くらいになると、同級生も体格が進化してきて、太刀打ちできなくなってきて。それを体感しましたね。

記録した映画の数は460本以上。趣味で培った「記録力」が仕事に活きる

キャプション:家に保管している映画ラインナップ

俵谷
俵谷

映画を見て記録するようになったのは、帰国してからでしょうか?

宇田川
宇田川

そうですね。日本の大学に入学し、就活も終わって時間ができたころに、詳しい分野を作りたいと思うようになって。幼稚園や小学校のころから映画を観るのが好きだったなと思い出して、意識的に観るようになりました。
当時、TSUTAYAの旧作レンタルが100円で借りられる時代で、学生にはリーズナブルな値段だったんです。その当時、「死ぬまでに観たい映画1001本」という本を見て、片っ端から映画を見て記録するみたいなことをしていました。

俵谷
俵谷

それがすごい数なんですよね。

宇田川
宇田川

そうですね。なんだかんだ460本近くになりました。

俵谷
俵谷

460本……!今もその記録は続いているんですよね?

宇田川
宇田川

記録をとらないと気持ち悪くなってきました。もはや、記録できなかったものは観ていないことにしています。「映画を観ること」と「メモをとること」がセットになってしまっているというか。メモをとるために止めたり、いいシーンがあったら巻き戻したりしているんです。だから、映画館だとメモをとれなくて、断然、自宅で見る派ですね。

俵谷
俵谷

細かいディテールまでメモされているんですね。すごい……。

宇田川
宇田川

細かい部分をメモするとなると、その瞬間に書かないと忘れてしまいますよね。例えば、「このシーンの音楽がいいな」とか、「このアーティストは誰だろう」と調べていくと、意外と有名なアーティストだったり。そこから、「このアーティストが尊敬している人は誰なんだろう」と深堀りしていって、自分の血肉にできるのも映画を見る目的の一つになっていますね。

俵谷
俵谷

映画だと、それこそ音楽だけでなく、新しい知識に触れる機会も増えますよね。

宇田川
宇田川

そうですね。映画を観終わったあとにWikipediaを見る時間が一番楽しい気がします。「この人出演していたんだ」とか、「あ、この音楽だったんだ」と、確かめるのが楽しいというか。

俵谷
俵谷

映画を起点に、いろいろな情報に触れているんですね。僕も映画が好きで、「裏切りのサーカス」のようなハードボイルド系が好きです。

宇田川
宇田川

ゲイリー・オールドマンが主演の映画ですよね。あ、「裏切りのサーカス」に出演していたボス役のジョン・ハートの昔の姿がめちゃくちゃかっこよくて。横向きで、肘ついている写真があって。ちょっと調べてみてください。

俵谷
俵谷

……(検索して調べる)この横向きの白黒写真ですか?

宇田川
宇田川

そうそう、これ!かっこいいですよね。若い頃の写真なんですが、こういうのをチェックして「あ、こんなファッションいいな」とかをチェックしてメモする感じですね(笑)

俵谷
俵谷

なるほど(笑)!それでいくと、僕は、王道の映画を避けてきたのですが、何年か前にゴッド・ファーザーを観てハマってしまって……。
一時期、アル・パチーノの写真を見漁っていましたね。非喫煙者ですけど、たばこを吸うシーンは憧れました。

宇田川
宇田川

アル・パチーノは小柄ですが、そう見せない迫力を演じれる名俳優ですよね。それこそ、今王道を見ないみたいな話がありましたが、王道になるには理由があって、だから最初からそこはおさえておこうと思って、一通りハリウッド映画やアカデミー賞受賞した映画はチェックしています。

俵谷
俵谷

深堀りして調べるという話をお聞きすると、好奇心旺盛な方だなと思ったのですが、そういう面が仕事で活きることはありますか?

宇田川
宇田川

うーん。そういう意味では「メモ魔」かもしれませんね。自分で作成している案件管理シートも、映画のメモのフォーマットと同じです。情報をまとめることを抵抗なくできているのは映画を記録することで培ったスキルかもしれません。
あと、記録しておくと「あれどうなっていたっけ?」と言われたときにスムーズに答えられるんですよね。元々、映画で記録を取るようになったのも「あの映画のストーリーってなんだっけ?」「どんな感想を書いたっけ?」というのを飲みの場で披露できないのがイヤだったんですね。仕事でも一緒で、そのためにメモを残しているというか。

俵谷
俵谷

アーカイブとして残しておくと何かと便利ですよね。
記録をされるということだったので、仕事でやりがいを感じる瞬間も「新しい発見」みたいなところになるのでしょうか?

宇田川
宇田川

そうですね。市場開発の仕事を通して、ビジネスのノウハウや社会の仕組みを発見できたときに興味深いなとは感じますね。
率直にいうと、楽しいと思って仕事をしたことがないんです。Fanが「楽しい」、Interestingが「おもしろい」とするなら、僕が好きな映画を見るといった行為は「楽しくておもしろいからお金を払う」わけで。それに対して、仕事は「面白いことはあるけど楽しくないから、お金払ってまではしないもの」と思っているんですね。そこの線引きをしているので、やりがいってなかなか難しい話ですよね。

”クリエイティブ”がなくても、クリエイターになれる

俵谷
俵谷

#私をつくるクリエイティブ では、クリエイターになりたい人やステップアップしたい人に向けて、HP製品や社員の皆さまにサポートをしていただいています。
改めて、御社で働く人や製品の魅力について教えてください。

宇田川
宇田川

外資系って、わりと冷たい印象があると思うのですが、その点、うちの会社は社員同士の仲が良いですね。だからといって、日本企業みたいにフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションが大事みたいなのもなくて、合理的なところはありながらも、アットホームな部分があるのが良いところですね。
製品としては、テクノロジーがとても先進的だと思っています。まだ世の中にない機能をつけるのが得意で、コモディティ化する前に、次の新しいことを考えるスピード感がある気がします。

俵谷
俵谷

ありがとうございます。
最後に、これから挑戦したい仕事について教えてください。

宇田川
宇田川

クリエイター向けに、新しいパソコンを発売したので、まずそれをみなさんに使ってもらうことが一番なんですが、そのためにはまずクリエイター自体が増えないといけないと思っています。
まず、クリエイターという言葉の話をすると、クリエイターが「モノを作る人」、クリエイトが「モノを作る」。ただ、クリエイティブになった瞬間に「独創性」「創造性」というニュアンスが出てきて、「私はクリエイティブがないから、クリエイターじゃない」みたいな話になってくるわけですね。
でも本来、誰でもクリエイターになれるわけで、例えばプラレールの新しいコースを作ることもクリエイトなんですよね。カジュアル層を広げるためには、クリエイトをしている時点でクリエイターであることをまず知ってもらう。そして、もう一つが、PCの性能の話ですね。そもそも良いアイデアが出たとしても、PCのスペックが低いとモチベーションは上がらないし、面白くなくなる。だから良いパソコンが必要みたいなことを、上手く発信していくことが重要なのかなと思います。

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ライタープロフィール

<取材・文>=俵谷 龍佑

1988年東京都出身。ライティングオフィス「FUNNARY」代表。大手広告代理店でリスティング広告運用業務に従事後、2015年にフリーランスのWebライターとして独立。採用・地方創生のカテゴリを中心に、BtoBメディアのコンテンツ執筆・編集を多数担当。わかりやすさ、SEO、情報網羅性の3つで、バランスのとれたライティングが好評。執筆実績:愛媛県、楽天株式会社、株式会社野村総合研究所等

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