CreativeLab On Air vol.1 子どもとクリエイティブ

2020年10月8日

「Creative LAB」は、全国フリーランス共創コミュニティ「新しい働き方LAB」の中で、クリエイティブに興味のある人たちが集まった派生コミュニティです。
クリエイターになりたい人やステップアップしたい人へ向けて、アドビや日本HPのサポートのもと運営しています。

今回新しく始まった「Creative LAB On Air」は、そんなCreative LABのスタートを記念して発信する対談番組で、毎回異なるテーマで様々な角度からクリエイティブについて話し合っていただきます。

《ゲスト》

株式会社日本HPコンシューマ事業本部長:沼田綾子

大学卒業後、IT企業に就職し、営業を4年間担当。その後、コンパック(2002年日本HPと合併)にEC事業部のマーケティング担当として入社。コンシューマーをメインにデジタル系のマーケティング、ダイレクトマーケティング、トレードマーケティングなどの領域で活躍し、17年から現職。2児の母でもある。

新しい働き方LAB静岡コミュニティマネージャー:長濱裕作

2017年に会社を退職し、フリーランスとして独立。ライターのかたわら、講師やゲストハウス運営、地域NPOなど幅広く活動を展開。今年の4月にはフリーランスチーム「SHIZUFREE」を立ち上げ、静岡県における新たな働き方にも挑戦している。3児の父でもある。

《進行役》

新しい働き方LAB和歌山コミュニティマネージャー:シモカタセイジ

アパレル→インテリア→事業立ち上げの請負人という職業人キャリアを経て、ブランディングとデザインを中心にクライアントの魅力を引き出すフリーランスとして活躍中。とにかく話を聞くこと、その上でクライアントに寄り添った提案をすること、その提案は相手の期待を上回ることを常に心がけている。

子どものクリエイティブは「マネ」から始まる。何気ない視点や工夫で日常がクリエイティブに。

下方
下方

本日のテーマは「子ども×クリエイティブ」です。他のイベントで「子どものすることって全部クリエイティブだよね」という話があり、今回のテーマが決まりました。お二人から見てお子さんのクリエイティブはどんなところだと思いますか?

沼田
沼田

子どもってマネっこが好きですよね。
うちには小学5年生の女の子がいるんですが、その子がハマっているのがフェイスシールドなんですよ。
最近テレビのロケなどでみんなフェイスシールドをしてるじゃないですか。
それを見てなぜか憧れがあるようで、クリアファイルを使ってフェイスシールドを作っていたんですよ(笑)。

そういう、大人が気にしない意外なところに着目しているのはとてもクリエイティブだと思いますね。

下方
下方

ハマさんのところはどうですか?

ハマ
ハマ

子どもを見ててクリエイティブだなぁと思うのは、好きなこととか興味を持ったことを後先考えずにすぐやっちゃうところですね。

なんか大人って色々と考えちゃうじゃないですか。これやったらどうなるんだろう?とか、これ意味あるのかな?とか。

下方
下方

たしかに、大人になると子どもの頃だったら自然にできていたことが、常識などがジャマをしてできなくなりますよね。

沼田
沼田

あとステイホームの期間が長く続いて、夏休みも旅行に行けなかったり、帰省できなかったりしましたよね。
でも先日、「工夫次第でこんなにテンション上がるんだ」ってことがあったんです。

下方
下方

しも:どんなことですか?

沼田
沼田

その日とても疲れていて、夕飯は焼きそばでいいやってときに、ちょっと考えたんですね。

よく露店で販売している透明のプラスチックのパックってあるじゃないですか。
それに作った焼きそばを入れて、ラムネを買ってきて、屋台感を出してみたんです。

ハマ
ハマ

楽しそう(笑)

沼田
沼田

そうなんですよ!子どもがすごく喜んで、夕飯が盛り上がったんですね。
ちょっとした工夫なんですが、それだけでその時間がとても豊かになるんだということを感じましたね。

DIYであらためて気づいた、つくる楽しさ。オカンアートの懐かしい思い出

下方
下方

今回僕がハマさんに聞きたかったのがDIYのことです。
めちゃくちゃ楽しんでますよね(笑)

沼田
沼田

そうそう!私もすごく興味あります。

ハマ
ハマ

はい、DIYはけっこうやってますね(笑)。
子どもは欲しいものを自分で作るっていう話があったと思うんですけど、DIYを始めてから僕もどもに戻っているような感覚があるんですよ。

何か欲しいなと思ったときに「まず作れないかな?」という考えになってきていて、そこはDIYをはじめて本当に良かったと思いますね。

沼田
沼田

買ってくるのもいいんですけど、自分で作ることのワクワクって色んなところにありますよね。

私も子どもとグミなどを作ると、実験をしてるみたいでワクワクします。
そういう作る楽しさは、子どもたちにもたくさん味わってもらいたいですよね。

ハマ
ハマ

大人になると「買った方が早いじゃん」とか「こっちの方がコスパいいじゃん」とか思ってしまうんですけど、決してそれだけではないですよね。
自分でゼロから何かを生み出す経験がけっこう自信につながっている気がするんです。

下方
下方

たしかに自信って大事ですよね。
自信ってそんな風に本当にちっちゃいことから生まれるような気がします。
とりあえずやってみたことが意外と「すげーじゃん」って評価されて、それがきっかけで仕事になることも全然ありますもんね。

沼田
沼田

子どもの頃を思い出すと、母親のオカンアートが懐かしいですね。

ハマ
ハマ

オカンアートですか?

沼田
沼田

オカンアートって言いませんか?(笑)
電話カバーとかフェルトの人形とか、お母さんってやたらと色んなものを自分で作るじゃないですか。

下方
下方

わかります(笑)

沼田
沼田

お金にはならないんですけど、自分が作ったものをあげたりして周りの人に喜んでもらうのってすごいうれしいことなんですよね。
そこには、手を動かすことの楽しさがしっかりとあると思うんです。

それに近所の奥さんに作り方を教えてもらうなど、コミュニケーションも自然と生まれているんですよね。

ハマ
ハマ

そう考えるとオカンアートってすごいクリエイティブかも。

沼田
沼田

そうなんですよ。あと、昔は手作りがメインでしたけど、今はそういったものが少しずつデジタルにシフトしている部分もあると思うんです。
例えばちょっとしたプレゼントと一緒にカードを渡すとき、写真を加工してメッセージを入れたりしますよね。

下方
下方

オカンアートもデジタル化に対応しているんですね(笑)

受け身なPCの使い方が多い日本。PCの使い方は大人が決めつけず、子どもたち自身に見つけてもらう。

沼田
沼田

実は日本の子どもたちって、PCをあまり主体的な形で使っていないみたいなんですね。
動画を見たりネットを見たり、いわゆる受動的な消費がメインで、諸外国と比べてもアウトプットに使う率が低い。

ハマ
ハマ

たしかにそうかもしれません。

沼田
沼田

2018年の学習到達度の調査によると、日本の学生は計算力など理系の学力はとても高かったんです。

一方で、読解力が大きく落ちていたんですよ。
読解力とは、ある情報の中からヒントを見つけて、そこからさらに自分で考えたり調べたりして事実を求める能力を指します。

下方
下方

それは大切な能力ですよね。

沼田
沼田

そうなんです。
だから教育の観点から「子どもにもっとパソコンを使わせないといけない」という流れになり、子どもに1人1台PCを持たせようという「ギガスクール構想」が動き出しているんです。

ハマ
ハマ

うちの子どもには、小3のときにノートPCを買い与えましたね。

沼田
沼田

お子さんはPCで何をしてるんですか?

ハマ
ハマ

最初はマインクラフトでしたが、そのあとは象形文字をひたすら調べていましたね。世界の様々な象形文字を模写したあと、そこから自分オリジナルの象形文字を考え出していました(笑)

沼田
沼田

象形文字のことがわかる大人ってまず周りにはいませんよね。
それを自分が必要とする情報にアクセスして、さらに自分の中で発展させることがPC1つでできたっていうことですよね。

下方
下方

それはすごい(笑)
今学校でプログラミングが必修科目になっているじゃないですか。
そのあたりも学力を伸ばそうという部分と関係があるんでしょうか。

沼田
沼田

プログラミングは命令によって動くものなので、論理思考を鍛えるのに良いのだと思いますね。
そういった思考はどのような仕事につくにしても、子どもたちにとって必要な、ベースとなるスキルになってくると思います。

ハマ
ハマ

早いうちから将来必要とされるものに触れておくのはいいことですよね。

沼田
沼田

うちの子どもの学校でも、コロナの状況下なのでオンライン授業を導入しています。
その様子を見ていても、やっぱり子どもって吸収が早いんですよね。

もともとデジタルデバイスに慣れているのが大きいと思うんですが、本当にあっという間に新しいものを使えるようになります。

ハマ
ハマ

それは僕も子どもを見ていてよく感じますね。

沼田
沼田

だから何にせよ、子ども自身に使わせてみるのが一番いいんでしょうね。

私がパソコンメーカーの人間だから言うわけではないのですが、まずは道具を与えてみて、使い方は子どもたち自身で見つけてもらうのがいいんじゃないかと思います。

クリエイティブの大きな役割は、自分と違う価値観に触れさせてくれること

下方
下方

コメント欄に質問が来てるのでお答えいただいてもいいですか。
「皆さんが子どもだった頃のクリエイティビティと、皆さんのお子さんのクリエイティビティに違いを感じていますか?」という質問です。

沼田
沼田

それはあると思いますね。
私が子どもの頃に作っていたものって、アナログなものばっかりだったんですね。
基地や池などを作ったり、折り紙や人形を使って遊んだり。

でも今の子どもたちはシームレスにデジタルを使いこなしてると思います。
うちの子どもを見ても、YouTubeやGoogleなどを毎日当たり前のように使っていますし、音楽なども楽器ではなくデジタルのシンセサイザーを使った楽曲を聞いていることが多いです。

ハマ
ハマ

選択肢がすごく広くなっていますよね。

沼田
沼田

そうなんです。
それでいて選択したものをより追って見れるようになっているんですよね。
例えばニュース一つとっても、ネットやSNSだと自分の意見に近い情報の方に寄っていきやすいじゃないですか。

ハマ
ハマ

自分で情報を選べますもんね。

沼田
沼田

そうなると、目にする情報が偏向してしまう可能性があると感じますね。
AかBか、みたいなところでどんどんAだけに寄ってしまう。

本当は色々な意見を聞くことで、AかBかだけではなく、まったく別のCという答えに行き着ける可能性もあると思うんです。

下方
下方

その通りですね。

沼田
沼田

SNSなども自分が好きな人たちだけをフォローして、その1つの価値観だけのタイムラインができてしまいますよね。
その辺りはとても変わってきていますし、扱いが難しくなっていると思いますね。

ハマ
ハマ

SNSなどを通じて「自分と価値観が合う人だけとつながればいい」という考え方も、いま世間では支持されているように思います。
そこについてはどう思われますか。

沼田
沼田

大事なのは、自分と違う人生や自分と違った人の考えをどれだけ理解できるか、というところだと思います。
例えば、小説や映画などの役割はそこにあるんじゃないでしょうか。

ハマ
ハマ

と言いますと?

沼田
沼田

自分とは違った人がいて、自分とは違った考えと人生がある。
そういうことって、なかなか身をもって知ることが難しいですよね。でも物語やエンターテイメントなどを通じて、私たちはそれを知ることができます。
それってすごく大きな役割だと思うんですね。

私もコロナ禍の中でそういうものにすごく救われたんです。
そのようなクリエイティブは、人間の人生を支えるという意味ですごく大事だと思います。

下方
下方

「自分と違った人の価値観にどれだけ触れられるか」というのはすごく良いキーワードですね…何だか本日のテーマの答えが出たように思います。

お二人ともどうもありがとうございました!

CreativeLABでは、クリエイターのみなさまのクリエイティブ活動をバックアップできるよう、より良いコミュニティづくりを目指しています。
本記事をお読みになられクリエイティブな活動にご興味を持たれた方、クリエイティブに挑戦してみたい方はぜひ、CreativeLABへご参加ください。

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ライタープロフィール

取材・文:ハマ(長濱裕作)
フリーライター。書くことを中心に、様々なスキルを掛け合わせた「半農半X」のライフスタイルを実践している。最近ハマっているものは「けん玉」。

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